センター通信より
ボランティア紹介
ほとんど「こだま」で21年
この世に「視覚障害者のために本を読んで録音する」という活動があるのを知ったのは、私がまだ30代の頃でした。
「研修を受ける必要がある」「腹式呼吸を練習する」と聞いて、「腹式呼吸?なら私にもできる。
今研修受けるのは無理だけど、そのうち…」と思いました。高校の演劇部で腹式呼吸を習って以降、腹式呼吸で生きてきたからです。
実際に私が点字図書館の新人養成講座を受けたのは、2002年の秋。
2003年4月、新入会員として紹介された総会で、新しく始める「声の地域月刊情報誌」の名前を決める投票がありました。
決定した名前は「こだま」。会長と、慣例として入会2年目で務める役員さんたちが取り組みました。
「記事を集める」「文章を書く」という音訳活動の基本からはみ出す活動はきつかったようです。
会長の「続けて」という願いは届かず、初年度のメンバーは役員卒業とともに「こだま」も卒業しました。
翌年は私たちの番。ところが、この年入会したのがわずか2人。役員も「こだま」も留年となりました。
2年続けたら、「こだま」に関わるのが惰性みたいになってしまいました。
「こだま」の魅力は、まず、リスナーさんの反応があることです。これは励みになります。
「お褒め」・「お叱り」両方ありますし、「最近できたあの施設を紹介して」といった要望が出ることもあります。
魅力のもうひとつは、大勢で作ることです。
各コーナーの担当者を決めることから、録音・編集・ダビング・発送作業まで行うために、毎月2回集まります。
「1人じゃない」と実感できることが、「こだま」を続け、会員であり続けるエネルギーのもとになっているのは確かです。
私が今年度新たに始めたのが「対面音訳」。
視覚障害者Aさんと公共の場所で会い、Aさんが持ち込まれたものをその場で読んでいます。
「こだま」仲間のYさんと2人で合計月2回。Aさんが楽しそうにしていらっしゃるのがありがたいです。
とはいえ、「こだま」も「対面音訳」も会独自の活動。
情報センターなしには成り立たないのに、情報センターが直接関わらない活動です。
多少の後ろめたさを感じながら、「こだま」のために情報センターに出入りしている私です。
以上